生物学者のハンナは、広大なアラスカの原野である手記を入手する。そこには、人間とは異なる種族——ウェアウルフについて、そしてその種族の首領の娘であるブリアンナの出生の秘密と、禁じられた愛の物語がつづられていた。美しく聡明なブリアンナは、年の近い弟のマティスとともにすくすくと育っていったものの、 彼女は狼の姿に変わることができなかった。そんな姉を守るためにつねにそばにいたのがマティスだけれども、二人のあいだに横たわる感情が、次第にふたりを引き離し始める。過去の愛と悲しみの記録が、現在と交差するとき——。